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公的保険を知れば、保険の選び方が変わる|貯蓄型と掛け捨て、どちらを選ぶか

公的保険を知れば保険の選び方が変わることを説明するともやんのイラスト
nikitomo1@gmail.com

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家計の見直しをしていると、保険の保障内容を確認する中で、同じようなリスクに複数の保険で備えていたり、必要以上に大きい保障額になっていたり、逆に給付の対象外になっている部分があることに気づきました。この見直しのきっかけになったのが、公的保険の仕組みを知ったことです。今回は、保険を選ぶときに知っておきたい公的保険の話と、貯蓄型保険と掛け捨ての生命保険の違いについてまとめます。

この記事は、保険を見直したい方や、貯蓄型と掛け捨ての生命保険のどちらを選ぶか迷っている方に向けて、まず知っておきたい公的保険の仕組みと考え方をまとめています。

この記事を読むと分かること

  • 公的保険(健康保険・高額療養費制度・障害年金など)で、どこまでまかなえるか
  • 貯蓄型保険と、掛け捨ての生命保険の違い
  • 貯蓄型保険が向いている人と、向いていない人

「保険に入っているから安心」…とは限りません

(登場人物は架空です。よくあるケースをもとにした例です)

ひなた
ひなた

家族のために、あれもこれもと保険を付けたら、毎月の保険料がどんどん増えてしまいました…。

ともやん
ともやん

「何に備えているか」を整理しないと、同じリスクに重複して払っていたり、公的保険でまかなえる部分まで民間の保険で備えたりすることがあります。

ひなた
ひなた

気づいたら、貯金が増えないまま、保険料だけが出ていく毎月に…。

ともやん
ともやん

備えるのは大切ですが、「どこまで備えるか」も大切です。まず、公的保険の中身を知るところから始めましょう。

保険のパンフレットに囲まれて困るひなたと、書類を指さすともやんのイラスト

では、保険は、どう考えればよいのでしょうか。まずは、保険の考え方から整理していきましょう。

保険は「何に備えているか」が大事

保険を考えるときに大事なのは、金額の大小よりも、自分が何に備えているのかをはっきりさせることだと思っています。たとえば生命保険(死亡保障)で言うと、扶養している子どもなど家族がいる方は、自分に万が一のことがあったとき、家族の生活が路頭に迷ってしまう可能性があるため、生命保険に入っておく必要があります。一方、独身で自立している方には、基本的に生命保険は不要と言えます。自分に万が一のことがあっても、経済的に困る家族がいないからです。

火災保険や自動車保険も、考え方は同じです。火事や事故は、起こる確率自体は高くありませんが、実際に起きてしまったときの金額的な影響は非常に大きくなります。こうした「確率は低いけれど、起きたときの影響が大きいもの」については、貯蓄だけでカバーしようとせず、保険に入っておく必要があると考えています。

ただし、保険で備えること自体は大切ですが、同じくらい大事なのが「どこまで備えるか」です。保険は、契約で決めた「万が一」が起きたときにしか使えません。一方、貯金であれば使い道を限定されず、誰にとっても使えるお金になります。備えることに力を入れすぎて、今の生活や将来のために使うはずだったお金まで保険料として払い続けてしまっては、本末転倒です。公的保険もすでに手厚くある中で、あまりにも低い確率のリスクにまで備えすぎていないか、一度見直してみることも大切だと思っています。

そして、忘れてはいけないのが、私たちは毎月、高い社会保険料や年金保険料をすでに払っているということです。まずはこれらをきちんと理解して、有効に活用することが大切です。そのうえで、すでに公的保険で保障されているものに、重ねて民間の保険(いわば「上乗せ保険」)に入る必要はありません。

生命保険・自動車保険・火災保険が必要な保険というイメージ

公的保険は意外と手厚い

みなさんは、病気やケガで入院したとき、公的保険でどこまでまかなえるか、ちゃんと把握していますか?

病気やケガ、働けなくなったときのために備える公的な制度は意外と手厚く、一定額の貯金があれば、それだけで様々な「万が一」にある程度対応できます。しかも、その貯金は万が一のことが起きなければ、ほかの用途にそのまま使えるお金でもあります。

たとえばアメリカには、日本のような公的医療保険の仕組みがありません。そのため、医療費や万が一の備えは基本的に民間の保険でまかなう必要があり、保険料の負担も重くなりがちです。一方、日本では公的医療保険があることで、医療費の自己負担は原則3割までに抑えられ、高額療養費制度を使えばひと月あたりの自己負担にも上限があります。つまり、アメリカは民間保険が主役、日本は公的保険が主役という違いです。こうした違いを知っておくだけでも、日本でどこまで上乗せの民間保険に頼る必要があるのか、判断がしやすくなります。

日本は「公的保険が主役」、民間保険は「上乗せ」

医療の備えの中心になるもの(イメージ)

アメリカ
公的
民間保険が主役
日本
公的保険が主役
上乗せ

日本での備えの積み重ね

民間保険
足りない分だけ上乗せ
貯蓄(150万円〜200万円ほど)
入院中の諸費用まで対応。使わなければ他の用途にも
公的保険(土台)
健康保険・高額療養費制度・障害年金など

※割合や大きさは、役割のイメージを表したもので、実際の金額の比率ではありません

具体的に言うと、高額療養費制度を使えば、一般的な所得の方であれば、大きな手術を受けても、長く入院をしても、医療費の自己負担は月9万円程度で済みます。さらに、2026年8月の制度改正で、年間の自己負担にも上限が設けられるようになりました。

ただし、これはあくまで医療費の自己負担分の話です。入院中は、食事代として1日3食で750円ほど、個室を希望する場合はさらに差額ベッド代として1日4,000円ほどが別途かかります。そのほか、入院中に使う日用品などの費用も必要です。

入院日数の目安で言うと、がん治療の場合は1か月前後の入院と、その後の通院が中心になることが多いようです。一方、脳の病気はリハビリが必要になることもあり、半年以上の入院になるケースもあります。

こうした入院中の諸費用まで含めて考えても、150万円から200万円ほどの貯蓄があれば、医療保険は不要と言えるのではないかと思っています。

費用項目目安
医療費の自己負担上限(高額療養費制度・一般的な所得)月9万円程度
食費1日3食で750円程度
差額ベッド代(個室希望の場合)1日4,000円程度
日用品などその他費用実費
目安となる貯蓄額150万円〜200万円程度

年金は老後だけでなく「もう一つの保険」でもある

年金についても同じことが言えます。年金は老後の生活費としてのイメージが強いですが、現役で働けなくなったときに受け取れる「障害年金」という保険としての機能もあります。老後のためだけでなく、こうした保険機能も含めて考えると、年金はできる限り続けておいた方がいいと感じています。

人生100年時代と言われるようになり、年金には、生きている限りずっと受け取れる「長生き保険」としての側面もあると感じています。何歳まで生きるか分からない中で、終身で受け取れるお金があるというのは、それだけで大きな安心材料です。

年金は自分でも増やせる時代に

ただし、年金だけで老後の生活すべてをまかなえるとは限りません。将来の受給額が目減りする可能性も考えると、年金に上乗せする形で、自分自身でもお金を増やしていく必要があります。その手段の一つが、お金に働いてもらうこと、つまり資産運用です。資本主義の仕組みに乗って、お金自身にも働いてもらうという考え方です。

以前はまとまった資金や知識が必要なイメージがありましたが、今は証券口座を誰でも気軽に作れるようになり、株や投資信託を気軽に売買できる時代になりました。さらに、NISAやiDeCoといった国の制度を使えば、本来は運用益にかかるはずの税金がかからず、増えた分をまるごと自分の取り分にできます。

運用する場合、個別の銘柄を選んで売買するよりも、淡々と積み立てていくインデックス投資が、年金代わりの資産形成には向いていると考えています。値動きに一喜一憂せず、長期でコツコツ続けることに向いた方法だからです。

学資保険って、本当にいる?

子どもが生まれると、「学資保険には入っておくべき?」と考える方は多いと思います。学資保険は、保険の中でも「貯蓄型」と呼ばれるタイプの一つで、保障と同時に貯蓄や積立もできる商品です(年金保険なども同じ貯蓄型にあたります)。

学資保険の仕組みは、保険会社が代わりに積立投資で運用してくれて、運用がうまくいけば、その一部が還元される形になっています。今は自分で気軽に積立投資ができる時代になったので、学資保険に入らず、同じことを自分の手で行うという選択も十分にありだと思っています。学資保険と積立投資の違いや、どちらを選ぶかの判断基準は、別の記事で詳しくまとめています。貯蓄型保険全体の向き不向きについては、この記事の後半で整理します。

貯蓄型保険と掛け捨て保険を見比べるイメージ

それでも、できれば掛け捨ての生命保険をおすすめする理由

貯蓄型保険は、積立の機能を持たせる分、本来の保険の目的である「保障」の内容が薄くなりがちです。そのため、保障はできれば掛け捨ての生命保険で確保するのがおすすめです。「掛け捨て」という言葉だけ聞くと、お金を捨てているように感じるかもしれません。ですが、本来保険は、万が一のときのためにみんなでお金を出し合って助け合う制度です。掛け捨てこそ、その本来の趣旨に近い形だと思っています。

貯蓄型保険が向いている人

項目貯蓄型保険掛け捨ての生命保険
保険料高め安い
保障の厚さ薄くなりがち手厚くしやすい
支払ったお金満期・解約で一部戻る戻らない(掛け捨て)
手数料割高(元本の一部が手数料に)比較的シンプル
向いている人先取り貯蓄・運用が苦手な人、誰かに任せたい人自分で貯蓄・運用ができる人

学資保険のような貯蓄型保険を使うことに向いているのは、こんな方だと思います。

✔

自分の意志だけでは積立をやめてしまいそうで、簡単にはやめられない仕組みの方が続けやすい方

✔

運用の仕方が分からない、自分では運用できない、誰かに任せたい方

✔

銀行に預けるよりも少し良い利率で貯めたい方

✔

保険と貯蓄の支払いを一つの口座にまとめておきたい方

なお、積立投資も自動積立の設定自体はできます。貯蓄型保険との違いは「自動かどうか」ではなく、「途中でやめやすいかどうか」です。積立投資の自動設定はいつでも停止・変更できますが、貯蓄型保険は途中で解約すると元本割れするため、良くも悪くもやめにくい仕組みになっています。

逆に、自分で先取り貯蓄の仕組みを作れて、自分で運用もできる・やりたいという方にとっては、貯蓄型保険は「入らない方がいい」ということになります。元本のかなりの部分が手数料に変わってしまう、割高な商品であるというのが実態だからです。

貯蓄型保険と掛け捨て保険のどちらが向いているか考えるイメージ

今日からできる、小さな一歩

  • 自分の保険の証券を取り出して、保障内容を確認する
  • 高額療養費制度など、公的保険の仕組みを一度調べてみる
  • 貯蓄型か掛け捨ての生命保険か、今の自分に合っているか考えてみる

まとめ

保障の内容や仕組みを理解しないまま契約や見直しの判断をすると、保障が足りているのか、逆に払いすぎていないのか、その過不足に自分では気づけません。まずは証券を引っ張り出して、保障の中身を確認するところから始めてみてください。そして、できれば保険会社に運用を任せきりにするのではなく、自分で運用することにも挑戦してみてほしいと思っています。

家計の見直し全体の進め方は、こちらの記事でまとめています。

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