高気密・高断熱・耐震等級3の家に住んでみて|性能の中身と、間取り・収納の反省点
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耐震等級3、高気密・高断熱、熱交換型の換気。カタログの数字は立派でも、実際に住んでみて、使いやすいかは別の話です。
この記事は、高気密・高断熱・耐震等級3の家に興味がある方や、間取り・収納で後悔したくない方に向けて、我が家の性能の中身と、暮らして分かった反省点をまとめています。
「性能の数字だけで選んで、住んでから困った」…そんなことはありませんか?
(登場人物は架空です。よくあるケースをもとにした例です)

性能の数字を見て決めたのに、住んでみたら、収納も窓の位置も、思っていたのと違って…。

数字で見える性能と、暮らして分かる使い勝手は、別なんです。両方、我が家の実体験でお話ししますね。

なお、我が家が家を建てたのは、約8年前です。この記事の内容は、当時の仕様です。
家づくりの費用は、こちらの記事にまとめています。

性能の中身と、間取り・設備

坪単価60.7万円(付帯工事込み)で、どこまでの性能と暮らしやすさを実現できたのかをお伝えします。安さと引き換えに、性能を我慢したわけではありません。
我が家の性能ハイライト
耐震等級3と減震装置
長期優良住宅の認定を受け、耐震等級は最高ランクの3を確保しています。柱は105mm角です。基礎はべた基礎で、立ち上がりの幅は150mm。鉄筋は200mm間隔で、LDKの下は150mm間隔と、より細かく入れています。加えて、地震の揺れを減らす減震装置(UFO-E)も採用しました。
気密性C値0.52の高気密・高断熱仕様
気密性能を示すC値は0.52、隙間の特性を示すn値は1.78です(住宅気密性能評価書の記載)。吹付ウレタンフォーム断熱と、全窓Low-E複層ガラス+アルゴンガスを組み合わせています。数値が小さいほど隙間が少なく、冷暖房効率が上がります。
高気密の特徴として、キッチンの換気扇を回すと、室内の気圧が外より少し低くなり、玄関ドアが重くなります。これは想定していたので、吸排気同時換気のレンジフードにしましたが、それでも重さは残っています。くわしくは、下の「暮らしてみて分かった、もう少し工夫したかった点」で書いています。
高断熱・高気密の効果は、夏にも感じます。暑い日は、エアコンがすぐに効いて、エアコンを消したあとも、効果が続いていると感じます。
自動で空気が入れ替わる機械換気とオール電化・EV対応
- 室内の空気が自動で入れ替わる機械換気(熱交換型で、冷暖房の熱を逃がしにくい)
- オール電化(エコキュートでお湯の光熱費を削減。ガスの基本料金も不要に)
- EV用コンセントを設置済み(将来の電気自動車にも対応)
これらは建てたあとから追加すると、割高になりやすい設備です。最初から仕様に組み込んでおくことで、トータルコストを抑えています。
機械換気なので、窓を開けなくても換気できます。それでも、窓を開けて空気を通すと、風を感じて心地よいです。
光熱費は、月平均約1.5万円です(石油ファンヒーターの灯油代、年間約2万円を含みます)。総務省の家計調査(2025年・二人以上の世帯の4人世帯)では、電気代・ガス代・その他の光熱費の合計が、月平均約1.98万円(19,844円)なので、一般家庭の平均より安く抑えられています。さらに、売電収入が月平均約0.9万円あるので、差し引きの実質は、月平均約0.6万円です。(家計調査の平均には、オール電化とガス併用の家が含まれています。上下水道料は含みません)
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暮らしやすさを高めた間取りと設備
性能だけでなく、毎日の暮らしやすさにも、こだわりました。間取り、動線と収納、設備とデザインの順にお話しします。
【間取り】
- 1階のLDKは、天井を高くしています。
- 2階のファミリースペースは、傾斜天井です。屋根断熱なので、屋根の形のまま天井にでき、開放感があります。
- リビングから、庭の2坪のウッドデッキに直接出られます。タープを張ると、リビングと一体になった空間に感じられます。

【生活動線と収納】
- 1階で生活が完結し、廊下はありません。
- 洗う・干す・しまうが近い動線です。脱衣所には、大きくはありませんが、干すところとクロークがあります。
- キッチンから洗面・お風呂へも、つながっています。
- 2階にも、トイレと造作の洗面台を設置しています。
- 収納は、場所ごとに設けています。玄関のシューズクローク、パントリー、ウォークスルークローゼット、階段下収納、リビングの作り付け収納などです。玄関には、コート掛けや鞄などを収納できる場所もあります。玄関のシューズクローク、パントリー、2階のウォークスルークローゼットの棚は、可動棚にしました。設計の当初に、実際の生活のすべてを見通せないので、暮らし方や家族構成に合わせて、棚の高さを変えられるようにしたかったからです。住んでからも、荷物の変化に合わせて、棚の高さを変えられて、棚が足りなかったときは、あとから追加できました。
【設備とデザイン】
- キッチンは、標準仕様ではなく、ハイスペックなペニンシュラ型の対面キッチンです。カウンター付きです。
- カップボードと吊戸棚は、契約時の交渉でつけてもらいました。カップボードは幅2,700mmの備え付けで、カウンター仕様です。
- バスは、標準仕様です。トイレは2台で、1台は標準仕様、もう1台はタンクレスです。ほかの部材も、メーカー仕様です。
- デザインは、妻が決めたカントリー風です。シャンデリアが映えます。
追加費用がかからなかった、間取りや設計の工夫(梁あらわし、傾斜天井、階段、3枚の引き戸、ファミリースペースなど)は、こちらにまとめています。

暮らしてみて分かった、もう少し工夫したかった点
満足している点が多い一方で、暮らしてみて「ここはこうすればよかった」と感じた点もあります。これから建てる方の参考になるよう、正直に書いておきます。

満足している家でも、後悔した点ってあるんですか?

もちろんあります。収納や窓の位置など、暮らして初めて気づくことも多いです。
- 布団の収納場所が、奥まっていて出し入れしにくい。クローゼットの量は、しっかり意識して作りました。量さえあれば大丈夫、と思っていたんです。ところが、季節ものや来客用の布団をしまっているのは、狭いウォークスルークローゼット。今でも「せまっ」と思いながら、出し入れしています。毎日使う布団は、置きっぱなしにして、やりすごしています。収納は、広さだけでなく、奥行きや、使う場所からの動線も、図面で確認しておくと安心です。
- 外構の除草シートは、厚めのものを、端までしっかり張ってもらう。そうしないと、すき間から雑草が生えてきて困ります。外構の見積もりでは、防草シートの厚みと、施工する範囲を確認しておくのがおすすめです。
- 洗濯物を外に干すなら、軒をつくっておく。軒がないと、雨の日にハラハラします(今も、しています)。外干しを考えている方は、設計の段階で、軒やひさしを検討してみてください。
- 通風を意識して窓を配置したら、隣家の勝手口や水まわりの窓と、位置が真正面になってしまった。風通しのいい家にしたくて、通風を意識して窓を配置しました。お隣との位置関係も、当初から考えていたのですが、間取りを変更したときに、見逃してしまいました。できれば、気兼ねなく窓を開けて、風を通したかったなぁ…。今は、換気のために窓を開けるときは、内側に突っ張り棒をつけて、防水の目隠しカーテンをかけて、やりすごしています。窓の位置は、風の通り道に加えて、隣家の窓や出入口の位置も確認します。間取りを変えたときは、窓の位置も、最初の考えと見比べておくと安心です。
- 高気密ゆえに、キッチンの換気扇を回すと、玄関ドアが重くなる。気密が高いと、換気扇で空気が外へ出るぶん、室内の気圧が外より少し低くなり、ドアが開けにくくなります。これは想定していたので、吸排気同時換気のレンジフードにしました。それでも、やっぱり重いです。高気密の家を考えている方は、換気扇を回したときのドアの重さも、想定しておくと安心です。
よくある質問
ローコスト住宅でも長期優良住宅は取れるか
取れます。長期優良住宅の認定は坪単価の高さではなく、耐震性や省エネ性能などの基準を満たしているかどうかで決まります。仕様の選び方次第で、坪単価を抑えながら認定を受けることは可能です。ローコスト住宅や大手ハウスメーカーとの違いは、別の記事で比べています。
まとめ|数字の性能と、暮らしの使いやすさは、両方見る
耐震等級3、C値0.52、熱交換型の換気、オール電化。あとから変えられない性能は、数字で確認して決めました。一方で、収納や窓の位置など、暮らして初めて分かる点もありました。これから建てる方は、図面の段階で、収納の奥行きや動線、隣家との窓の位置関係を、確認してみてください。
グレードアップした全項目と金額は、こちらにまとめています。

家づくりの費用の全体像は、こちらにまとめています。


