奨学金の返済がきつい30代へ|不安を減らす公的制度と申請の手順
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毎月の奨学金の返済が、じわじわと家計を圧迫している。そう感じながら、誰にも相談できないまま30代を迎えていませんか。
30代は結婚や出産、住まいの見直しなど、お金の使いみちが一気に増える時期です。そこに奨学金の返済が重なると、貯金が増えないのは自分のやりくりが下手だからだと、自分を責めてしまう方も少なくありません。
けれど、返済がきついと感じるのは、家計管理が下手だからではないのです。負担を軽くする公的な制度があることを知らないまま、返し続けている。そういうケースがとても多くあります。
私自身、月5万1,000円の奨学金を借りていました。社会人になってしばらくは、その返済が家計にどう効いているのかさえ分かっていませんでした。

返済がきついのは分かっているんですけど、うちは共働きなので制度なんて使えないですよね。

そこが一番の誤解なんです。審査で見られるのは世帯年収ではなく、ご本人の収入だけなんですよ。
先に結論をお伝えします。奨学金の返済がきついときにやるべきことは、節約でも副業でもありません。返済額そのものを減らす制度を使うことです。これは申請すれば誰でも使える公的な仕組みで、月々の返済を最大で4分の1まで下げられます。
この記事は、2つのパートでお話しします。
特に第2部は、知っているかどうかで支払う金額が変わってきます。ここだけでも読んでいただければ、この記事の役目は果たせます。
奨学金の返済がきつい30代の実態
みなさんは、ご自分の奨学金があといくら残っていて、毎月いくら返しているか、すぐに答えられますか?
まずは第1部です。ここでお伝えしたいのは、30代で返済がきつくなるのは仕組み上ほぼ避けられないということです。奨学金の返済は社会人になってすぐ始まり、借りた総額に応じて最長20年かけて返していきます。22歳で返済を始めた場合、40代に入るまで続く計算です。つまり収入が上がりきらないうちに支出だけが増え、返済とちょうど重なる。この構造をまず押さえてください。
30代まで返済が続く理由
日本学生支援機構の貸与奨学金は、借りた総額に応じて返済期間が決まり、最長で20年以内に設定されます。大学4年間で借りた場合、返済が30代後半まで続くことは珍しくありません。
これは制度上あらかじめ決まっていることで、あなたの返済が特別に長引いているわけではないのです。むしろ20年という長さを前提に、毎月の負担が抑えられていると考えたほうが実態に近いといえます。
問題は、その20年のあいだに、人生でお金がかかる出来事が集中することにあります。
返済がきついと感じる3つの原因
きついと感じる背景には、共通した3つの原因があります。
- 収入の伸びを上回る支出の増加
- ボーナス頼みの返済による現金不足
- 制度を知らないままの固定的な返済
30代は保育料や住居費など、自分の意思では減らしにくい支出が増えます。収入が増えても手元に残らないのは、この構造が原因です。やりくりの問題ではありません。
滞納が招く3つのリスク
返済がきついときに最も避けたいのが、そのまま放置してしまうことです。延滞した場合の不利益は、あらかじめはっきり決められています。
個人信用情報機関に登録されると、住宅ローンやクレジットカードの審査に影響することがあります。返済が苦しいときほど、放置ではなく制度の利用を検討してください。
ここまでが第1部です。30代で返済がきつくなるのは構造上の問題であり、あなたの家計管理の問題ではありません。そして放置だけは避けるべきだという点を押さえていただけたと思います。
返済がきつい時に使える公的制度
ここからが第2部、この記事で最も大事なパートです。日本学生支援機構には、返済が難しくなったときのための制度が用意されています。借金を帳消しにするものではなく、返す金額やタイミングを調整する仕組みです。制度は2つあり、どちらも申請しなければ一生使えません。黙っていても案内は届かないのです。対象となる年収の目安と申請の流れを、順番に見ていきます。
どちらの制度が使えそうか、まずは目安で確認してみましょう。
2つの質問で見つける、使える制度の目安
スタート
▼
Q1本人の年収(給与所得者)は、400万円以下が目安?扶養家族1人につき38万円を控除して審査します
▶
対象外になる可能性
- 目安を超えると、制度が使えないことがあります
- まず奨学金相談センターで確認を
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Q2年収300万円以下、または産休・育休中で、返済をいったん待ってほしい?
▶
返還期限猶予
- 返済そのものを、一定期間待ってもらう
- 待つあいだ、利息や延滞金は上乗せされない
- 産休・育休中は、期間の制限なし
▶
減額返還
- 毎月の返済額を減らし、返済期間を延ばす
- 3分の2・2分の1・3分の1・4分の1から選べる
- 返済の総額は変わらない
※ 年収はあくまで目安です。正確な適用の可否は、日本学生支援機構への確認が確実です
減額返還制度の仕組みと条件
減額返還制度は、毎月の返済額を減らし、そのぶん返済期間を延ばす制度です。返済の総額そのものは変わりませんが、月々の負担を大きく下げられます。減らせる割合は3分の2、2分の1、3分の1、4分の1から選べます。
ここで重要なのは、審査の対象が本人の収入だという点です。世帯年収で判断されるわけではないため、配偶者に収入があっても、ご自身の年収が基準以下なら利用できる可能性があります。共働きだから無理だと諦める前に、一度確認してみてください。
返還期限猶予制度の仕組みと条件
返還期限猶予制度は、返済そのものを一定期間待ってもらう制度です。待ってもらっているあいだに、利息や延滞金が上乗せされることはありません。
産休や育休で一時的に収入が下がる時期は、この制度が使える代表的なケースにあたります。復職して収入が戻れば、そこから返済を再開すれば問題ありません。
申請の流れと必要書類
申請は日本学生支援機構の「スカラネット・パーソナル」というウェブサービスから行えます。窓口へ出向く必要はありません。
STEP 1
スカラネット・パーソナルに登録する
STEP 2
願出フォームを入力して送信する
STEP 3
所得証明書など、必要書類を提出する
STEP 4
審査結果の通知を受け取る
注意したいのは、審査に一定の時間がかかる点です。返済日の直前ではなく、きついと感じた時点で早めに動いてください。
制度を知らないまま放置してしまう失敗
最も多い失敗が、制度の存在を知らないまま返し続けることです。
減額返還も返還期限猶予も、申請しなければ適用されません。黙っていても、向こうから案内が届くわけではないのです。知らなかっただけで、本来減らせたはずの負担を払い続けている方は決して少なくありません。
きついと感じた時点で、まず調べる。それだけで状況は変わります。
ここまでが第2部です。返済額を減らす「減額返還」と、返済を待ってもらう「返還期限猶予」。この2つの名前だけでも覚えて帰ってください。そして審査は世帯年収ではなく本人の収入で見る。この3点が第2部の要点です。

返済に余裕が出てきたら
制度を使って家計に余裕が出てくると、次に必ずぶつかる壁があります。奨学金を先に返すべきか、新NISAを始めるべきかという問題です。判断の基準や、私が繰上返済を先に選んだ理由、投資でやってしまった失敗は、別の記事にまとめています。

奨学金の返済に関するよくある質問
最後に、奨学金の返済について寄せられることの多い疑問をまとめました。制度の細かい条件は、状況によって判断が分かれる部分もあります。ご自身のケースに近いものがあれば参考にしてください。なお、正確な適用の可否については日本学生支援機構への確認が確実です。気になる項目から読み進めてみてください。
奨学金の返済がきつい時の相談先はどこか
日本学生支援機構の奨学金相談センターが公式の窓口です。制度の適用可否や必要書類について直接確認できます。家計全体の立て直しまで相談したい場合は、お住まいの自治体が設けている無料の相談窓口も利用できます。
減額返還で信用情報に傷はつくか
制度を利用しただけで個人信用情報機関に登録されることはありません。登録の対象になるのは、延滞が3か月以上続いた場合です。むしろ延滞を避けるために制度を使うほうが、信用情報を守ることにつながります。
産休や育休中でも猶予は使えるか
使えます。産前産後休業や育児休業は返還期限猶予の対象で、通算10年という期間の制限も適用されません。収入が一時的に下がる時期こそ、活用を検討したい制度です。
滞納すると保証人にいつ連絡がいくか
延滞が続くと、本人への督促のあとに連帯保証人や保証人へ連絡が行われます。人的保証を選んでいる場合、多くは親や親族が対象になります。連絡が行く前に、制度の利用を相談しておきたいところです。
完済前でも住宅ローンは組めるか
組めます。奨学金の返済が残っていること自体が、審査の妨げになるわけではありません。ただし延滞して個人信用情報機関に登録されている場合は、審査に影響します。

まとめ|奨学金の返済がきつい30代へ
最後に、2つのパートを振り返ります。第1部は、30代で返済がきつくなるのは仕組み上の問題だということ。第2部は、返済額を減らす制度が2つあり、申請しなければ使えないということでした。
奨学金の返済がきついと感じるのは、あなたのやりくりが下手だからではありません。負担を軽くする制度を知らないまま、決められた金額を返し続けているだけかもしれないのです。
全部を一度にやる必要はありません。このなかの1つだけでも、今日のうちに手をつけてみてください。小さく動き出せば、状況は必ず変わっていきます。
私も、株なんてギャンブルだと思っていた側の人間です。計画性なくお金を使い、月末に足りなくなる月もありました。それでも保険を見直し、繰上返済を終え、少しずつ投資を続けられるようになっています。返済に追われる生活からは、必ず抜け出せます。
返済の目処が立ったら、次は家計そのものを立て直す番です。固定費の削り方から先取り貯金の作り方まで、順番に解説しています。

奨学金を完済して家計に余裕が出てきたら、次はマイホームという選択肢も見えてきます。私自身、35歳で3300万円の変動金利ローンを組みました。そのときの本音の不安と、8年後どうなったかをまとめています。

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